北大路魯山人

北大路魯山人(芸術家)の名言

北大路魯山人(きたおうじろさんじん)さんは、1883年に京都で生まれた芸術家です。本名は房次郎。生まれる前に父を亡くし、母からも育児放棄されるという壮絶な生い立ちの中、複数の養家を転々としながら独学で美への感性を磨いていきました。篆刻家・書家として名声を得た後、近江や京都、金沢などを渡り歩く中で数々の財界人や美食家との交流を重ね、「料理も芸術である」という独自の哲学にたどり着きます。1925年には東京・永田町に会員制の高級料亭「星岡茶寮」を開き、自ら食材を選び、調理し、さらには料理を引き立てるための器までも自らの手で焼き上げるという、他に類を見ない徹底ぶりで日本料理の世界に革新をもたらしました。漫画『美味しんぼ』の登場人物・海原雄山のモデルとしても知られる北大路魯山人さん。その言葉には、あらゆる感覚を研ぎ澄まし、美という一点に生涯を捧げた芸術家だけが持つ、鋭く妥協のない審美眼が宿っています。

食器は料理の着物

北大路魯山人さんの美食哲学を象徴する、最も知られた言葉の一つです。器を単なる料理を盛るための道具としてではなく、料理の魅力を引き立て、彩る「着物」として捉える発想には、料理と器を切り離さない独自の美意識が表れています。

自ら陶芸に取り組み、料理に合わせて器までも作り上げた北大路魯山人さんだからこそ語れる、料理という総合芸術への深いこだわりが感じられる言葉です。

姿・カタチは自然物にかなわない

人為的にどれほど工夫を凝らしても、自然が生み出す造形の美しさには及ばないという、北大路魯山人さんの根本的な美意識です。人間の作為よりも、自然そのものが持つ美しさへの畏敬の念が示されています。

陶芸や料理において、常に自然の素材や形を尊重し続けてきた北大路魯山人さんの創作姿勢が、この短い言葉によく表れています。

無理をせぬことが芸術の要領であり、健康のための本旨でもあるとするなら、守らねばならぬ。況んや栄達を求めて不自然な要求をしてはならぬ

無理をして作られたものには、自然な美しさが宿らないという、北大路魯山人さんの創作哲学が表れた言葉です。名声や出世のために不自然な背伸びをすることを、はっきりと戒めています。

多くの分野で天才的な才能を発揮しながらも、常に自然体であることを重んじた北大路魯山人さんらしい、芸術と生き方の両方に通じる教えです。

書でも絵でも陶器でも料理でも、結局そこに出現するものは、作者の姿であり、善かれ悪しかれ、自分というものが出てくるのであります

どんな分野の創作物にも、作り手自身の人間性がそのまま表れるという、北大路魯山人さんの鋭い洞察です。技術だけでは隠しきれない、作者の内面がにじみ出るのが芸術の本質だという考え方が示されています。

篆刻、書、陶芸、料理と、あらゆる分野で作品に自らの姿を投影し続けてきた北大路魯山人さんだからこそ語れる、説得力のある言葉です。

低級な人は低級な味を好み、低級な料理と交わって安堵し、また低級な料理を作る

味覚もまた、その人の人格や見識を映し出すものだという、北大路魯山人さんの厳しい美食観です。舌の感性を磨くことは、単なる贅沢ではなく、自分自身を高めることに直結しているという考え方が示されています。

生涯を通じて妥協のない美食を追求し続けた北大路魯山人さんの、率直で辛口な人柄がよく表れた言葉です。

料理も芸術である

音楽や絵画だけを芸術と見なす当時の常識に対し、北大路魯山人さんが真っ向から異を唱えた言葉です。味覚、嗅覚、触覚、視覚のすべてを同時に用いる料理こそ、人の心を動かす究極の芸術であるという信念が込められています。

星岡茶寮での実践を通じて、この哲学を体現し続けた北大路魯山人さんの功績が、日本料理の地位そのものを高めることにつながりました。

料理と美は、両立してはじめて最善の馳走ということになる

美味しいだけでは真の料理とは言えず、見た目の美しさとの両立があってこそ、最高のもてなしになるという、北大路魯山人さんの考え方です。味と美意識を切り離さない、総合芸術としての料理観が示されています。

食材選びから盛り付け、器に至るまで徹底的にこだわり抜いた北大路魯山人さんの実践そのものを表す言葉です。

飽きるところから新しい料理は生まれる

同じものに満足し続けるのではなく、飽きを感じた瞬間にこそ新しい創造のきっかけがあるという、北大路魯山人さんの創作哲学です。停滞を恐れず、常に変化と探求を求め続ける姿勢が表れています。

生涯にわたり多分野で新しい表現に挑み続けた北大路魯山人さんらしい、飽くなき探究心を物語る言葉です。

まるで器から出汁がでているようだ

家庭の温かみに縁のなかった北大路魯山人さんが、大勢で囲む食卓と器の存在によって、食材の魅力がいかに引き立つかを実感した際の言葉です。器そのものが、まるで料理に旨みを与えているかのように感じられたという、鋭い感性が表れています。

孤独な生い立ちを経験してきたからこそ、器や食卓が生み出す温かさに人一倍敏感だった北大路魯山人さんの、繊細な一面がうかがえる言葉です。

僕の友達は孤独だ

生涯を通じて多くの人間関係の摩擦を抱え、6度の結婚もすべて破綻したという北大路魯山人さんの、率直な胸の内が表れた短い言葉です。華やかな才能と名声の裏にある、深い孤独感が凝縮されています。

飾らずに自らの孤独をそのまま言葉にするところに、北大路魯山人さんの人間としての脆さと誠実さが同時に感じられます。


北大路魯山人さんの名言を紹介してきましたがいかがでしたか?
あなたの知っている北大路魯山人さんの名言がありましたらコメント欄で教えてくださいね。

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